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ケイアイメルヘン19スペシャルレポート

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「この馬は、良いと思うよ。好きなタイプの馬だ」と、ファンタストクラブの後條雄作場長がきっぱり。ホッカイドウ競馬の調教師時代には、道営記念や三冠競走第1弾の北斗盃はじめ、ダービーに相当する北海優駿を2度制するなど多くの管理馬をビッグタイトルへと導き、また早田牧場で場長を務めていた時代には三冠馬ナリタブライアンなども手掛けてきたベテランホースマンが、まるで新しいおもちゃを買い与えられたばかりの子供みたいに無邪気な表情で嬉しそうに語る。

そんな本馬の父はキンシャサノキセキだ。豪州産のフジキセキ産駒で、日本では約半年ほどの遅生まれという扱いになるが、2歳時に勝ち上がり3歳春のNHKマイルCは3着、7~8歳時には高松宮記念を連覇する息長く活躍したトップスプリンターだった。種牡馬としても、シュウジやサクセスエナジー、モンドキャンノらに自身の卓越したスピードを伝える一方で、2020年はガロアクリークがクラシックディスタンスで活躍したことは記憶に新しい。特徴としては「結果を残しているキンシャサノキセキ産駒は、みな一様に大型馬である」ということ。550kgにならんとするサクセスエナジーは特別だとしても、シュウジやヒラボクラターシュ、ルフトシュトロームなどオープンで活躍するキンシャサノキセキ産駒は、総じて500kg近い馬格の持ち主だ。

母ケイアイメルヘンは、ダイヤモンドSに勝ったケイアイドウソジンの半妹。日本ではわずか3世代しか産駒を残すことができなかったエンドスウィープの直仔で、同期にはラインクラフトがいる世代だ。兄ケイアイドウソジンとはまったく異なるタイプの競走馬で、ダートの短距離を舞台に4勝をあげて重賞のガーネットSでも人気の一角に評価された馬だ。当クラブ会員の方々には、初勝利から6戦の間に4勝をあげたローレルリーベ(父カネヒキリ)の母としての印象が強いかもしれない。本馬は父こそ違うが、同じフジキセキ系というのが心強い。競馬に「たら」「れば」は禁句ではあるが、もし仮に順調に競馬が使えることができたら、と思わざるを得ない兄の分までと、いやが上にも期待が高まる。

しかし「今はまだ全体に緩さが残るし、大きな体を持て余しているような状態」と場長が評する。「どこか悪いわけじゃないし、むしろ丈夫な馬。緩いというのは悪いことではなく、可能性があるということ。2歳にもならない今の時期にこじんまりとまとまっているようでは、将来性があるとはいえない」と言葉を続けた。ケイアイメルヘン19の場合は、その未完成な部分が良い方向に向かう可能性が大きいというわけだ。雄大な馬格は、牝馬ながらに500kgを超える馬体重で出走したこともある母ゆずりか。そういえば、半兄ローレルリーベもデビュー戦から516kgという堂々たる体躯の持ち主だった。

長くお付き合いいただいている会員の方の中にはご存知の方もいらっしゃるだろうが、ファンタストクラブの育成方針は「軽く、長く」だ。もっとも大切にしているのは、馬の個性を理解し、その成長曲線にあわせたメニューによって「基本を学ばせる」こと。競走馬にとっての「基本」とは、人間が求めるものを正しく理解するためのハミ受けや、体全体を使った走行フォームのことだという。そこには「デビューへの1番の近道は、しっかりと基本を教え込むこと」という経験に裏付けされた信念があるのだ。そうして培ってきた理念を、約20年前からここファンタストクラブの馬たちに惜しげもなく注ぎ込んでいる。

ケイアイメルヘン19がファンタストクラブへと移動してきたのは2020年10月。もっとも身近なライバルともいえる当育成場の同期生約160頭の中でも「ひと目見た時から印象に残る馬だった」という。雄大な馬格に備わった深い胸と、背中が短く見えるほどの長い腰。肩の傾斜は緩やかで、クビ差しは短く力強い。狂いのない正確な骨格を包む筋肉は柔らかく、歩かせると歩調にあわせてリズミカルに動くクビと、ゆったりとだがスピード感を感じさせるウォーキングが印象的である。加えて、初めての環境にもまったく動じない性格はスタッフにも好評だった。「競走馬として、良いものを持っていそうだ」という予感めいたものは、騎乗運動をスタートさせるためのブレーキング、そして屋内馬場でのハッキングキャンターへと進める中で確信に変わってきた。

取材当日のメニューは、屋内角馬場でのウォーミングアップのあと、1周700mの屋内ダートコースを3周、そして全長800mの屋内坂路を1本という内容。ハロン18秒程度が目安だと言うが、時計にはこだわりはないという。20頭ほどの集団調教で、その真ん中あたりを堂々と進む姿が頼もしい。ゆったりとして体全体を使った大きなフォーム。周囲の馬たちがどちらかといえば前輪駆動ぎみな走りをしている中で、のびのびと走っているようにも見える。ただ、後條場長の厳しい目には、まだ大きな体を持て余しながらのキャンターに映るようだ。

「走るフォームを教えることはできても、骨格や筋肉の質を変えることはできない」とはごもっともな話。この馬の武器である背中の柔らかさは、踏み込みの深さにつながり、結果的には見た目以上のスピード感を与えることにもなる。場長が高い評価を与えている理由が少しだけ理解できたような気がした。

本馬を含め同世代の160頭には、もうしばらく上記に準じたメニューを課していくそうだが、そろそろ次のターニングポイントが近づいているという。

「年が明けたら、少しずつメニューを変えていくが、劇的に変わるのは3月か4月。そこまでは、とにかく基本をしっかりと教え込む」と場長。特筆すべきことは、中期育成を終えてファンタストクラブへと移動したあと、体重が減るどころか増えていることだ。環境の変化や運動負荷によってどんどん体重が減っていく馬が多い中で、稀有な存在と言えよう。「余裕があるんだろうね。身体つきから考えたらあと10~20kg増えてもまったく不思議はない。だから楽しみなんだ」とまた笑顔を見せる。調教を終えて、馬房で飼葉をむさぼる本馬を前にそんな話を聞いていたら、こちらまで楽しくなってきた。

筆者の想像だが、おそらく競走馬としてのケイアイメルヘン19は、スピードと瞬発力を武器にするようなタイプであろうと思う。きっと長く楽しめるような競走馬になってくれるのではないか。「私たちは緩いという表現を多く使いますが、それは決して悪いことではないです。馬の個性だと考えてください。今言えるのは、この馬には可能性があるということ。その可能性を人間の都合で摘み取ってしまうことだけはしたくない」ときっぱり。出資会員となって、愛馬の豊かな可能性を感じとりつつその成長を楽しむことができるのは、なんだかとても贅沢な時間の使い方だという気がする。

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