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ヴェルーリヤ(ランデブー19)スペシャルレポート

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8月上旬、北海道浦河町にあるBTC軽種馬育成調教センターの屋内坂路調教コース。「今日がひとつの試金石だと思います」と、やや緊張した面持ちでモニター画面を見つめるシュウジデイファームの石川秀守社長がいた。

「ヴェルーリヤ」こと、ランデブー19の追いきり日に合わせて取材をお願いしていた。「本会報誌の取材に合わせて時計が出やすいウッドチップ直線コースで追い切るのは簡単なことですが、それでは何のために負荷をかけるのか分からなくなってしまう」と、あえて本馬の時計が出にくい屋内坂路コースへ。異常なまでの暑さがやわらぎ、課題だった馬体重も回復傾向にある今、「坂路コースではテンションが上がり、抑えが利かなくなることがある」とのことだが、「前半に脚をため、後半でどこまで脚を伸ばせるか」というのが今日のテーマである。

ウォーキングマシンでしっかりとウォーミングアップを行い、そして坂路コースへ。今日は2頭併せの坂路調教で、より強い負荷がかかる外に併せるのも「石川流」。ギリギリのところまで追い込むことで浮き彫りにされた馬の個性を理解し、メニューを組み立てる。そのメニューが均一的ではないからこそ、モズアスコットにアルクトス、ユニコーンライオンやオーヴェルニュなど、育成馬の活躍例は枚挙にいとまがないのだろう。未来のチャンピオンを目指す2歳馬も、メイクデビューを楽勝したキングエルメスにカワキタレブリー(その後にクローバー賞3着、函館2歳S 5着)が順調に勝ち上がり、バイハリウッドはハナ差2着と、好調だ。

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そんなことを考えていたら、ヴェルーリヤがゆっくりとスタートを切った。騎乗者が手綱をしっかりと抑えるが、グングンと加速。画面モニターが計測ポイントを通過するたびに「14.5」「13.6」とハロンタイムを掲示する。このまま馬の行く気に任せてしまっては、とんでもないタイムが出るかもしれないが、まだ1本目だ。最後は2本目に余力を残すように「14.2」でゴール。「減っていた体重が戻り、元気になったのは良いことですが、ここに来て良い意味での前進気勢が出てきました」と苦笑い。何やら騎乗者と携帯電話で連絡を取り合い、そして2本目へ。モニター画面は正面からしか見れないので、はっきりと見て取ることはできないが、身体全体を使ったピッチ走法で最大傾斜角度5.5%という坂路を駆け上がる。

「14.7」「14.3」と順調にペースアップしていたところで、併せていた相手の脚色が鈍ってきた。騎乗者が懸命に叱咤激励するも一杯になりながらゴール。相手に合わせてしまったこともあって、最後の1ハロンは「14.0」。目標としていた13秒台とはならなかったが、加速しながらゴールするという最低目標はクリアした。「相手が遅れてしまったから、時計的には仕方がなかったと思います。それでも、満足できる内容でした」と石川社長。今後も状態を確認しながらメニューを組み立てていくそうだ。

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さて、本馬の父ルーラーシップは、2016年のファーストシーズン・チャンピオンサイアーで、現役時代はクイーンエリザベス2世カップ(香G1)含め、20戦8勝(重賞5勝)をマークした。種牡馬としても、スタッドインを果たした2013年から7年連続で200年以上の繁殖牝馬を集める人気を誇り、その産駒はデビュー2年目の2017年から5年連続重賞制覇。キセキやグロンディオーズのような中・長距離馬から、ディアンドルのようなスピード馬まで幅広く、またメールドグラースのコーフィールドカップ(豪G1)制覇により、海外G1タイトルも獲得している。

これら産駒の活躍により、初年度産駒が5歳となった2018年から3年連続でサイアーランキングのトップ10入りをキープし続け、2021年も8月末現在で5位と好調を持続。ロードカナロア(2014年新種牡馬チャンピオン、20年総合サイアーランキング2位)やドゥラメンテ(2020年新種牡馬チャンピオン)・ホッコータルマエ(2020年NAR新種牡馬チャンピオン)らととともに、キングカメハメハ系を支える主流血脈になっている。

ただし、2歳競馬は少々苦手なようで、昨年のJRA2歳サイアーランキングは8位、一昨年は13位。この傾向からすると、ゆっくりとだが、少しずつ着実に力をつけているヴェルーリヤはルーラーシップ「らしい」産駒ともいえる。

母ランデブーは、マイネルモルゲン(京成杯オータムハンデ2回、ダービー卿チャレンジトロフィー)シンメイレグルス(マーキュリーカップ4着)の妹。これらを含め、兄弟妹で合計21勝を挙げている活躍ファミリーで、曾祖母イースタードーンは仏重賞勝ち馬だ。一族にはナリタキングオー(日本で京都新聞杯など重賞3勝)やヒーローズトリビュート(米国重賞勝ち馬)、ヴェットーリ(仏2000ギニー)もいる。さかのぼれば、4代母オイリアンテはマルゼンスキーの母シルと4分の3同血の妹という名門牝系でもある。

「暑い時期を乗り越えて、調子は上がってきています。ゲート練習も行っていますが、枠入り、中立、発走のいずれも問題なく、脚元の不安もありません」という。ここで、誤解して欲しくないのは、ヴェルーリヤ自身は決して暑さに弱い体質ではないということ。競馬場への移動へ向けてピッチを上げたところで猛暑に見舞われたたために汗をかきすぎて、体重が減少してしまった。人間でもそうだが、本当に暑さに弱い馬というのは汗をかきにくい馬なのだ。

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この日、ヴェルーリヤに騎乗してくれた同ファームの岸本洋明場長も「本音を言えば、最後はもう少し(末脚)を伸ばしたかったのですが、(併せ馬の)相手がバテてしまいました。走りだしたら、真面目な馬。テンションが上がりやすいのはルーラーシップ産駒にありがちな部分ですが、欲を言えば、もう少し落ち着いてくれたら余計な体力を使わずにレースへと挑めると思います。軽い走りをする馬なので、芝コースでも問題ないと思います」と期待に胸を膨らませている。

北海道でこなすべきカリキュラムは、そろそろ最終段階を迎える。「早期デビューを目指しながら、心身の成長を促すために環境を変えるなどの工夫をしつつメニューを組み立ててきました。今後は状態を確認しながら進めていきますが、デビューに向けた具体的なプランを立てる時期に来たように思います」と締めくくってくれた。

会報誌未公開画像(画像をクリックして拡大)

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