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エビスオール20スペシャルレポート

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種牡馬パイロの活躍が目立った秋だった。きっかけは地方競馬所属馬の悲願ともいえるJBCクラシック制覇を成し遂げたミューチャリーかもしれないが、その翌日に行われた道営記念ではクインズサターンが16年ぶり史上2頭目となる同レース連覇を成し遂げ、その週末に阪神競馬場で行われたみやこステークスでメイショウハリオが重賞初挑戦初優勝を飾っている。わずか5日間に重賞3勝。その勢いは翌週になっても衰えることはなく、ホッカイドウ競馬所属レディーアーサーが盛岡競馬場プリンセスカップに勝って2つめの重賞タイトルを手中にしている。

結果、11月末現在でNARサイアーランキングは“絶対王者”サウスヴィグラスに次ぐ2位で、JRAも含めたダート総合サイアーランキングでは3位。長くダート界を盛り上げてきたゴールドアリュール、キングカメハメハ、サウスヴィグラス、クロフネが相次いで亡くなり、ランキングも大きな転換期を迎えている。その中心にいる1頭がパイロであることは論を待たない。

そのパイロが送り出した10世代目産駒の1頭が本馬だ。米国産の母エビスオールは、現役時代の最高馬体重502kgという恵まれた馬格から繰り出すスピードを武器にJRAで3勝。外国産馬ゆえに出走できるレースが限られた中での成績だけに、その価値は高い。

エビスオールの父チーフシアトルは、その名前のとおりに米国三冠馬シアトルスルーの直仔で、ブリーダーズCジュヴェナイル、シャンペンS 2着の快速馬だ。エビスオールの母系をたどれば3代母アンティークオークションからはコレクターアイテム(アルテミスS、阪神ジュヴェナイルフィリーズ4着)、エクセラントカーヴ(京成杯オータムH)、アウトディスタンス(新潟2歳S 3着)など、活躍馬多数の名門牝系。実際、本馬の兄ヴァンドゥメールは2歳6月の新馬戦に優勝し、兄エビスリアン、姉ミヤコノアカリも2戦目に勝ち上がる天才ファミリーだ。

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本馬の育成を担当していただいている浦河町・吉澤ステーブルの鷲尾マネージャーは「この兄姉も育成させてもらいましたが、体全体のバランスであるとか、背中から腰にかけてのシャープなラインなどはよく似ていると思います。父が違いますので、例えば腰幅であるとか、筋肉量などは違いますが、兄姉の中には飼い食いが細くなって悩まされた馬もいましたので、牝馬ながらにしっかり食べてくれるこの馬は頼もしいです」と口調も滑らかだ。

筆者の「この馬の良いところは?」という問いに「見てのとおり馬格は十分にありますので、パイロ産駒特有の気持ちの強さが武器になると思います。普段の手入れのときなどは借りてきた猫のようにおとなしいのですが、少しスイッチが入ったりすると気の強さが垣間見えるときがあります。ただ、生産牧場でしっかりと手がかけられているので、今はまだ我慢していますが、これから調教が進むと気の強さがもっと前面に押し出されてくるような場面があるかもしれません。そうした部分を勝負根性などの良い方向に向けていきたいです」というビジョンも明らかにしてくれた。

写真や動画でご確認いただけるように、5月生まれの本馬は、き甲がまだ抜けきっていない幼児体型。背は特別に高い馬ではないが、それでいてボリューム感たっぷりの馬体が目をひく1頭だ。とくに肩のボリューム、そして後駆の筋肉量に注目いただきたい。クラブのホームページにもアップされている動画では、がっちりとした飛節から繰り出される力強い歩様が出色だ。背は短く、しっかりした腹袋の持ち主で、短くはないが立ち気味のつなぎからはダート適性の高さがうかがえる。そして何よりも声を大にして言いたいのは、10月と11月で馬体重に変化がなかったこと。初期馴致から本格的な調教を開始する期間は、馬に大きなストレスと負荷がかかり、大きく体重を減らすのが普通だからだ。旺盛な食欲と成長力が減った分をカバーしたのか、この程度の調教では負荷ともストレスとも感じないのかは馬に聞いてみないとわからないが、特別な馬であることは間違いなさそうだ。

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もうすっかりクラブ会員の方々にとってはお馴染みであると思うが、吉澤ステーブルは隣接するBTC(軽種馬育成調教センター)の施設を使って育成を行っている。優に200頭以上の管理馬がおり、この時期は馴致グループと調教グループにスタッフが分かれて育成を行ない、毎年数多くの馬を中央、地方の競馬場に送り出している。来年の夏競馬デビューを目標にしている本馬は、その中でも早めのグループでカリキュラムをこなしている。11月下旬現在、BTCの坂路でハロン18秒程度まではマークしているという。

取材当日のメニューは、牧場内屋根付き馬場でウォーミングアップしてから、BTCの屋内1000mウッドチップ坂路でハロン20秒程度を目安にするという。この日のパートナーは、地方競馬でのジョッキー経験もあるという鈴木優治さん。鷲尾マネージャーが全幅の信頼を置くベテランライダーだ。馬と無言のコミュニケーションをとりながらヒラリと馬上の人になると、吉澤ステーブルの代名詞にもなっている10数頭による集団調教グループの中へと入っていく。すでに競走馬への階段を駆け上がっているとはいえ、そこは繊細なサラブレッドの1歳馬。屋根から落ちる雪の音はもちろん、人間では気が付かないような小さな物音や、見慣れぬ取材者、あるいは自分自身が起因する蹄音などでパニック状態になる馬も少なくない中、堂々とした振る舞いを見せる。集団の中でポジションを変えられながらも、マイペースを守り続ける精神力もセールスポイントといえよう。

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吉澤ステーブルの敷地内から出て道路を横切り、BTC内に入場して、坂路の入口へと向かう。BTCの屋内ウッドチップ坂路は、スタートして最初の350mは平坦で、650mで20mほど上る構造となっている。最大傾斜角度は3.5%であり、1歳馬にとって厳しいコースであることは言うまでもない。スタートからしばらくはスムーズに駆け上がってきたのだが、ゴールが近づいて鞍上の鈴木さんが減速させようとしたその一瞬だけ、まだ走りたいような素振りを見せたが、その後は落ち着いた様子であった。この時期の1歳馬らしからぬ気性と体力が実に頼もしい。

この日に予定されていた調教を終えて厩舎に戻り、鞍を外しながら「ここまでは順調そのものです。前進気勢もありますし、馬格にも恵まれているからパワーも感じます」と満足そうな鈴木さん。その横で鷲尾マネージャーは「第一印象は、パイロらしくしっかりした馬だなと感じ、ここまではそのイメージ通りにメニューをこなしてくれています。厩舎の意向もありますので、年内にはコンスタントに週1でハロン16を出せるように。そして1月には坂路で15-15までできるようにして春先には内地へ送り出せるように準備したいと思います」と総括してくれた。目標は夏の福島競馬。そこに向かって一点の曇りもない。

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