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ミラクルキューブ(ミラクルクロス20)スペシャルレポート

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浦河町のBTC近郊にある吉永ファームで、競走馬としての階段を一歩ずつ着実に、そして力強く昇っているのはミラクルキューブ。「まだ北海道にいるの!?」という声なき声も理解できなくはないが、この馬は昨年11月に本格的なトレーニングをスタートさせた時から「ベストの舞台はダートの中距離戦」と、はっきりとした方向性を打ち出し、その時から現在に至るまで一切ぶれることなく、定めた目標に向かって最短距離で歩を進めている。

ここで、データというにはあまりにも大袈裟な「数字」を紹介しておく。8月21日終了時点で、JRAで行われた2歳新馬戦は88競走。このうちダートの番組は12競走組まれていたが、1600m以上の距離は新潟競馬場での2競走と、札幌競馬場と小倉競馬場での2競走のみ。新馬戦を使った馬の多くが2戦目に選ぶであろう未勝利戦も51競走中ダート番組はわずか8競走のみで、1600m以上の番組となれば札幌競馬場での2競走しか見つけることができない。また、仮に新馬戦を勝ったとしてもJRAで最初に行われる2歳1勝クラスのダート番組は10月1日のヤマボウシ賞で、関東圏であれば10月15日のプラタナス賞まで待たなければならない。しかも、この2競走が行われる舞台はいずれもスタート部分が芝。同日現在、JRAで72勝を記録していながらも、そのすべてがダート戦というホッコータルマエの産駒であるミラクルキューブが、無理をして早期に暑いトレセンへと移動する理由はないのである。

本馬の父ホッコータルマエは2020年NAR新種牡馬ランキングで勝ち馬数、勝利回数、獲得賞金の「三冠王」に輝き、21年セカンドクロップサイアーランキングでは、勝ち馬頭数、収得賞金1位。現役時代にはチャンピオンズカップ、東京大賞典、帝王賞など当時最多勝となるダートG1/Jpn1競走10勝を記録し、3年連続でNARグランプリダートグレード競走特別賞を受賞したほか、2014年JRA賞最優秀ダートホースに輝く砂の王者。種牡馬としても初年度産駒のレディバグがJRAリステッドレースに勝利したほか、ギャルダルが東京ダービー2着。2年目産駒ブリッツファングも兵庫チャンピオンシップ(Jpn3)に勝つなど、順調にステップアップを果たしている。一方の母系は川島牧場門外不出のブラックバトー系。1907年に輸入された英国産プロポンチスにさかのぼるファミリーで、ダービー馬アイネスフウジンや皐月賞馬ハクタイセイ、東京大賞典2連覇のトーホウエンペラーなどを輩出している母系である。ほかにも皐月賞2着シャコーグレイドや8歳時に日経賞に勝ったテンジンショウグン、中山障害Sなど障害8勝を挙げたブランディニーなど、高いレベルでタフに長く活躍できる馬が続出するファミリーだ。

さて、北海道では秋の風が吹き始めた8月中旬、ミラクルキューブがトレーニングを積んでいる吉永ファームを訪ねた。「その第一印象から雰囲気のある馬だと思っていましたが、自分の予想を超えるような成長曲線を描いています」というのは吉永ファームの吉永正志社長。「正直言って、まだまだ教えなければならないことはたくさんありますが、この馬は与えた課題に対してしっかりと応えてくれる馬。楽しみが広がっています」と口元も緩む。取材日のメニューはウォーミングアップを兼ねたダート周回コースと、グラス馬場での追い切りだ。

この日、ミラクルキューブのパートナーを務めてくれたのは高橋一晃さん。馬房内でのメディカルチェックを終え、そして馬装を行ってもらっている間のミラクルキューブは、まだあどけない表情を残す少女のようでかわいい。しかし「オンオフの切り替えが上手というか、今、自分が何を求められているか、何をしなければならないのかを理解している馬だと思います」という高橋さんの言葉通りに、腹帯を絞められて鞍を置かれた瞬間に、その表情はアスリートのそれへと変貌を遂げる。「これまで、坂路でハロン14秒、15秒の追い切りは継続してこなしていますが、フラットな芝コースでは久しぶりです。一昨日の豪雨でぬかるむ芝コースというちょっと可哀そうな馬場コンディションではありますが、どんな走りを見せてくれるか楽しみです」と言い残し、馬とともにコースへと向かう。

これまで、芝コースでの調教を重ねていることについて、不思議に思っていた出資者の方もいると思うので、吉永社長に何故かを聞いてみた。「精神的な自立を促すため」そして「脚元に負荷をかけずに心肺機能を高めるため」とのことだ。前者はすぐに理解できる。総面積1500haというBTC軽種馬育成調教センターに備わる広大なグラス馬場には、馬が頼るべきラチがない。そのため騎乗者には馬としっかりとコンタクトを取り、馬を集中して走らせる技術が求められるのだが、結果として馬は自分自身の意思で走ることを覚えるのだ。

しかし、後者はちょっと意外だった。「グラス馬場というと、競馬場の芝コースをイメージする人が多いと思うのですが、ここは競馬場と同等レベルに管理された芝コースで、しかも優れたクッション性を持っている洋芝です。何よりも、普段はほかの育成牧場によってあまり使われないコースなので、馬場コンディションは良好に保たれたまま。ここの芝コースを走らせて故障したというのは聞いたことがありません」という。

ダート周回コースではいきなりのトップギアで僚馬を置き去りにしたかと思えば、グラス馬場では撮影がしやすいようにと集団調教の端を選び、僚馬を前に見てスタート。ここでも引っ張り切れないような手応えで、周囲をうかがえるほどの余裕を見せる。前脚が高くあがり、筋肉が躍動する。途中、物見をしてしまいバランスを崩すも、すぐに後れを取り戻して集団に取りついたところがゴールとなった。

会報誌未公開画像

「久しぶりの本馬場(グラス馬場)追い切りだということを考えれば十分な内容だったと思います。欲を言えば、もっと重心が下がって、後駆を前に送り込めるようになればさらに推進力が増すと思いますが、今日のようなぬかるんだ馬場でもバランスを崩さずに走ることができたのは収穫です」と高橋さんも納得の笑顔。吉永社長は「前へ行きたいという気持ちに、まだ身体がついてこられない面が見受けられました。焦っても仕方ないことですが、もう少し本数を重ねる必要があるかもしれません。私自身、ホッコータルマエの産駒は、そう多くを扱ったわけではありませんが、種牡馬自身がそうだったように、どちらかといえば晩成のイメージがあります。楽しめる馬になってくれると思います」と話している。

この日、あれだけ激しい負荷をかけられてもケロっと涼しい顔で帰ってきたミラクルキューブ。「決してスプリンターではないと思うし、まだまだ奥のある馬。長く楽しめそうな馬」と吉永社長は話す。さらに調教を重ね、夏が過ぎて秋が深まる頃に増えてくるダート競走を「虎視眈々」と狙ってゆく。

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