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クレオール21スペシャルレポート

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2022年11月中旬。もしかしたら、この日が「クレオール21」にとって、ひとつのターニングポイントになるかもしれない。偶然とはいえ、まずはそんな日に本馬と出会えたことを感謝したい。

北海道新冠郡節婦町に位置する日高軽種馬共同育成公社の中に居を構えるパッショーネ。当クラブ会員の方々にはすっかりお馴染みの育成牧場だ。昨年暮れに3勝クラスの特別競走「2021ファイナルS」を勝ったローレルアイリスを立て直し、この秋は同じく3勝クラスの特別競走「天王寺S」でクビ差2着のジョディーズマロンを育て上げた。そして何よりも声を大にして伝えたいのは、パッショーネが初めて提供者として参加してくれた2歳馬ソアラが、今年の夏の札幌開催で勝ち上がってくれたこと。その実績は雄弁だ。

今回紹介する「クレオール21」は新冠町のハシモトファーム生産馬。地方競馬史にその名を残すフリオーソや重賞5勝ダイワテキサス、南関東2冠馬でNARグランプリ4歳以上最優秀馬のタイトルも併せ持つナイキアディライトやCBC賞で2年連続レコードタイムを記録した快足マジンプロスパーなどを送り出した名門牧場だ。

さて、クレオール21の父ルーラーシップは、2016年新種牡馬チャンピオンに輝き、2017年から本年まで6年連続(継続中)で重賞勝ち産駒を送る名種牡馬だ。2018年から昨年までサイアーランキングのトップ10をキープし、本年もその位置を守り続けている。決して仕上がりの早いタイプではないことは過去の産駒たちによって証明されているが、11月15日現在のJRA2歳サイアーランキングは4位。ディープインパクト、キングカメハメハの両巨塔が抜けた穴を埋めるようにランキングを押し上げているのが印象的だ。

母クレオールはノーザンファームの生産馬。さかのぼれば、アドマイヤロード(万葉S)やカーム(種牡馬)などを輩出したフランクアーギュメントを祖とするファミリーで、祖母リンガフランカもJRA3勝馬だ。近親には上記2頭以外にもヒカルカザブエ(元町S、阪神大賞典2着)、サトノアリシア(コスモス賞)、ハッピーユニバンス(TVh賞)などがおり、多くの活躍馬を送り出す牝系である。

母クレオール自身も牡馬混合の芝1800m新馬戦で3番人気に支持されたほどの素質馬だったが、ゲートに不安を抱えていたために成績が安定せず、その現役時代はダート中距離で2勝。5歳春に半年ぶりの実戦で2勝目を記録した時は、「さあ、いよいよ本格化」と周囲の期待が膨らんだが、レース後に骨折が判明し、その1戦を最後に繁殖牝馬となった。

そんな母の初仔である兄エスペラント(牡3歳、父エピファネイア)は、今年1月にデビュー3戦目となる中山競馬場・芝1600m未勝利戦を勝ち上がってファミリーにさらなる活気を与えている。同馬は現在、軽度の骨折で戦列から離れているが「新馬戦がブルーグロット(紫菊賞2着)の2着で、2戦目もショウナンマグマ(ラジオNIKKEI賞2着)の2着。3戦目に勝ち上がるのだから能力も相当なもの」と周囲を悔しがらせている逸材だ。

また、姉のノヴィアル(牝2歳、父サトノアラジン)も今年9月にゲート試験に合格。現在は、栗東トレセンでデビューの日が来るのを今や遅しと待ちかまえている状態だ。

そんな兄姉に続けと言わんばかりの「クレオール21」を、パッショーネの西野城太郎代表は「いろいろな意味で長い馬」と評する。当歳募集時には極端な腰高に見えた馬体は成長するに従って亀甲が抜け、胴が伸びたように見える。それだけではなく距離適性も長め、そしてその競走馬馬生も長いと予想する。「こういうタイプは、扱う人間側の技量が問われる」とサラリと言ってのけるのは、自信の裏返しであろう。

「ハシモトファームさんから来る馬は、移動してくる段階でしっかりとできているから、負荷をかけてもへこたれない。育成牧場としては、それがすごいアドバンテージになるのです」という言葉からは、本馬の充実した基礎体力がうかがえる。だからこそ、この時期にハロン15秒を切ろうかというハイピッチでの調教が可能なのだろう。

この日のメニューは、全長760m、最大傾斜角度4%という屋外坂路コースを2本。ハロン15-15か、それを上回るペースというから、今時期の1歳馬としては相当に早い。このダートコースには約10cmの深さで砂が敷き詰められているというから、なおさらだ。

「この馬の背中が大好き」という調教パートナーの田口彩夏さんが鞍を置き、そしてハミをかける。この瞬間、ほとんどの馬は緊張するようにピリッとするのだが、まるで甘えるように田口さんのジャンパーを甘噛み。誤解が無いようお願いしたいのだが、その様子は、少々大袈裟な表現が許されるのなら、まるで食事の時間を待ち焦がれたペットのようだ。「この仔、トラックコースだとどんどん走っていくのですが、まだ後躯に力が付ききっていないようなので、坂路は少し苦手みたいです。良いパフォーマンスをお見せできるのかやや不安です」という田口さんを尻目に、クレオール21は田口さんとの親密な時間を楽しんでいるようにも見える。

厩舎を出て、ダートトラックコースを横切って坂路コースのスタート地点へ。それだけで約1000mもの常歩運動だし、その前にウォーキングマシンでたっぷりと約1時間のウォーミングアップをしているので、運動量換算ではどれくらいになるのだろうか。カメラポジションを決め、VTRのスイッチを押すとほどなくして本馬が姿を見せた。

「苦手」という言葉が嘘のように力強く、そしてスピード感のある走りでまっすぐに駆け上がってくる。手綱はピクリとも動かない。促すことも抑えることも不要と言わんばかりだ。2本目はさらにペースアップ。さすがに疲れたか、ゴール手前ではややフォームに乱れたが生じたものの、それでも十分なパフォーマンを披露してくれた。「正直、そろそろ疲れが出てくる頃だと思いますし、実際に常歩の時などは疲れているのかなと思うところがありますが、今日は自分からハミを取って、しっかりと走ってくれました。先週までと動きが変わってきました」と田口さんが笑顔を見せた。ふと馬を見れば、同じ組で同じメニューをこなした馬たちはみな一様にしたたるほどの汗をかいているのだが、ケロっとしたもの。「そうなんですよ。いつもほとんど汗をかかないんです。今日もそうですが、乗っているとスピードを感じないのですが、しっかりと時計は出ている。汗もかかないし、不思議な馬です」と鞍を外しながらまた笑顔。その間、クレオール21はといえば田口さんに甘えっぱなしだ。

そんな様子を見ていた西野代表は「まだまだ物見もするし、ウォーキングマシンの中では飛び跳ねたり、運動中でも予期せぬ動きをしたり。要は、まだ子供なんだと思います。でも身体能力が高いのと、ここに移動してくるまでの管理が素晴らしいので、どんどんメニューをこなすことができます」と満足そうだ。今後もしばらくは同様のメニューを予定しているそうだが、精神的なストレスをため込むと成長曲線に影響が出る可能性があるため、ひと息入れるタイミングはしっかりと見極めたいとのこと。ひと息入れると言っても、その間は「単に休ませるのではなく、基礎体力の再構築と、メンタルを育てていく」ことが主眼となるらしい。

会報誌未公開画像

ほとんどの競走馬がそうであるようにデビューまでの道のりはなだらかな上り坂ではなく、階段を上がるようにひとつずつステップアップする。この日の「クレオール21」は紛れもなく、ひとつ上のステップへと昇ったような気がする。この先、いくつ階段が待ち受けているのかわからないが、楽しみというほかない。「芝の中距離は1勝することができれば、自由にローテションが組める時代。まずは1勝。そして、その先には無限の可能性があると思います」と西野代表がインタビューを締めくくってくれた。

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