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ローレルメビウス(ウィステリアメジロ24)スペシャルレポート

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長い北海道の冬が終わろうとする頃になると、馬産地日高で夏競馬に向けた準備が本格化する。本稿では、新冠町のパッショーネから夏の北海道デビューを目指す2頭を紹介する。

ローレルメビウスこと「ウィステリアメジロ24」との出会いは北海道市場サマーセールの最終日。1400頭近い上場馬で賑わった市場も、残り100頭ほどになった頃だったという。「それまでも何頭かステルヴィオ産駒を見せてもらいましたが、出来の良い馬が多いという印象がありました。この馬は5月生まれで小さかったですが、馬体のバランスと歩いている時の〝脚の運び〟が良かった。加えて、母父がメジロベイリーというのが決め手になりました」とパッショーネの西野代表。メジロベイリーはサンデーサイレンス直仔の最優秀2歳牡馬。兄に最優秀父内国産馬メジロブライトがいる血統とあって将来性を高く評価された馬だった。しかし、朝日杯のあと、皐月賞を目指している過程で骨折が判明し、その後は思うような成績を残せずに引退を余儀なくされた。当初は青森県に繋養されていた事もあって恵まれない環境だったが、数少ない産駒が活躍して話題となり、現在は「母の父」としてカフジオクタゴン(レパードS)、シーウィザード(新潟2歳S 2着)、シゲルタイタン(天保山S2着)、ルークススペイ(天満橋S)などの血統表の中で存在感を示している。「改めてマルゼンスキー(メジロベイリーの母父がマルゼンスキー)の偉大さを感じていますが、メジロベイリー自身も5月30日生まれながらも2歳チャンピオンになったように高い能力を持った馬でした」と高く評価している。

ローレルメビウスはこの西野代表の言葉を借りると「小さいけど、やんちゃで元気すぎる馬だった」との事だ。本馬の育成方法について様々な選択肢がある中で選んだのは騎乗馴致をスタートさせる前の放牧だった。そして、信頼するコネクトファームに放牧へ出した。ここは、かつて生産牧場や育成牧場で勤務経験がある渕瀬靖さんが馬の一生と真正面から向き合おうと、功労馬を主に扱うために開業した牧場だ。「成長を促したい。方法は任せると西野さんに言っていただきました」と渕瀬さんは話しており、基本である飼葉による栄養管理、そして長時間放牧で馬にストレスを与える事なく1カ月と少々を預託した。荒々しい気性を内在させていた本馬には人間との距離を縮めるように工夫したと言うが、それでもパッショーネに戻って騎乗馴致をスタートさせると、「馴致によって馬の行儀はこんなにも変わるものなのか」と渕瀬さんは感心している。

この日のメニューは「坂路で目一杯」。その後はひと息入れる予定のため、苦しい事を経験させて、競走馬仕様にいちど仕上げる事を目的とするメニューだという。1本目から、それなりのスピードで坂路を駆け上がり、2本目はスタートから勢いよく飛ばして3ハロン39.9秒。中間1ハロンは12.0秒の時計を余裕たっぷりにマークした。「本当に一生懸命に走ってくれる馬です。坂路でもどんどん時計を詰めてきたので、ここでひと息入れる事でもっと成長してくれると思います」と騎乗した小澤さんも満足そうであった。そして「追い切りをしても体重が減らなくなった」と、その成長ぶりに目を細めている。「今日でひとつの大きな壁をクリアしてくれたと思います。前進気勢が強い馬なのでスピード馬と思っていましたが、最後までトップスピードを維持できる心肺機能は、やはり遺伝子検査(T:T型=長距離適性傾向)の結果通りなのだと思います。ひと息いれてから北海道デビューを目指します」と西野代表。さらなる進化を期待している。

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