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アンミツ(トーホウドルチェ24)スペシャルレポート

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長い北海道の冬が終わろうとする頃になると、馬産地日高で夏競馬に向けた準備が本格化する。本稿では、新冠町のパッショーネから夏の北海道デビューを目指す2頭を紹介する。

スタッフから「お婆ちゃん」の愛称で親しまれているアンミツは、馬房にいる時間のほとんどを窓から首を出して外を眺めているのんびり屋さんだ。しかし、その行動とは異なり、顔だけを見ると1歳馬と見紛う童顔である。しかし、さすが重賞勝ち馬を母に持つ良血馬は、ただ年齢不詳に見える馬ではなさそうだ。「決して大きな馬ではないですが、馬の中で影のリーダーを張っているのです。仲間を仕切るような強さがありますし、牝馬ながらどっしりと落ち着いていて度胸のある馬です。コースでもほとんど物見しませんし、環境の変化に一切動じる事がありません」と、この日の手綱を取る高濱さんが耳打ちしてくれた。物見をしないというのは、競走馬として成長していくうえで心強い限りだ。

父タリスマニックはメダグリアドーロ直仔のブリーダーズカップ・ターフの優勝馬だが、その産駒は芝もダートも得意とする短距離馬が多い。「産駒はアンクルクロス(淀短距離S 2着)を休養で預かった事しかありませんでしたが、それゆえに良いイメージしか持っていません」と西野代表。母トーホウドルチェは船橋競馬場マリーンC優勝馬でプロキオンSを含め重賞で2着4回の非常に優良な成績を挙げ、繁殖馬としてもアベレージの高い産駒を排出している。

この日は久しぶりの追い切り調教となる。昨年秋に生産牧場から移動してきたあとは、ハッキングキャンター調教でしっかりと基礎体力作りを行なった。その後はローレルメビヴス同様にコネクトファームでの放牧をはさんだり、モモセライディングファームでの合宿を経験させたりするなど、さまざまな環境を経験させて成長を促した。その過程の中でスタッフが口を揃えるのはアンミツの奥深さ。「基本的には大人しくて扱いやすい馬ですが、馬自身が正しい走行フォームを身に着けた事で、以前よりも楽しんで走っているように思います」と西野代表は話す。その言葉どおりに、この日の坂路は圧巻の動きだった。テンからいきなり12.3秒、12.2秒。必要以上にエキサイトしているわけではないが、懸命に手綱を抑えられながらもどんどん加速する。さすがに最後はラップが落ちたが、秘めた能力を十分に見せた内容であった。「遺伝子はC:T型(中距離適性傾向)でしたが、母の父サウスヴィグラスというか、母トーホウドルチェゆずりのスプリンターだと思います。この馬のダッシュ力を生かさない手はない」と西野代表が期待する。そして、この日の追い切りを見届けたコネクトファームの渕瀬代表は「少しでも自分が携わった馬だけに元気な姿を見る事ができて嬉しい。2頭とも北海道でのデビューを予定していると聞きました。競走馬ですから、活躍を期待しますが、悔いのないような競走生活を送って欲しい」とエールを送る。育成牧場のほんのわずかな時間を切り取っただけの取材でも、多くの人たちが支えあって馬を育てている事が伝われば幸いだ。そんな馬たちは、直接的にも間接的にも関わった人たちの想いを感じて、一生懸命にコースと馬生を駆け抜けてくれるはずだ。

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