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ローレルオーブ(ルージュマジック22)スペシャルレポート

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ゆっくりと加速して好位をキープ。勝負処からじわっと進出し、早め先頭から後続の追撃をしのぎ切る。そんなシーンが見えたような気がした。まだ正式には番組発表されていないものの、第2回函館開催に組まれるであろう芝1800m新馬戦でのデビューを目指しているローレルオーブ(ルージュマジック22)の調教メニューが、最終段階に入ってきた。

春まだ浅い弥生3月下旬。北海道新冠町にある日高軽種馬共同育成公社の屋外コースの使用が解禁された。砂厚は平均10cmに均された全長760㍍、最大高低差25㍍の坂路を、ローレルオーブが勢いよく駆け上がる。一見すると短い印象を受けるかもしれないが、この坂路コースは坂を上りきると、そのまま1周1200mトラックコースのバックストレッチへと合流できるように設計されているため、最後までしっかりと追えるのだ。その様子は並走する車から動画撮影されており、クラブ公式サイトの愛馬情報で公開される予定なので、ぜひともご覧いただきたい。

「今日は4か月ぶりの屋外調教。馬も戸惑うだろうから、ハロン15秒から14秒くらいを目安にしたい」と調教前にパッショーネの西野城太郎代表が話していたが、実際には最初の1ハロンから14秒台をマーク。その後もがっちりと手綱を抑えたまま14秒台、そしてラスト1ハロンも13秒台でフィニッシュ。それでもケロッとした顔で息上がることなく戻ってきたパートナーを、西野代表が頼もしそうに称えた。

「ローレルオーブの最大の武器は真面目に走るということ。そして、その集中力が持続するタイプであるということ。言い換えれば、トップスピードを長く維持できるスタミナと、それを支える心肺機能です。距離が短い屋内坂路ではそれを確認することができませんでしたが、今日の走りで、それを再認識できました」と納得の表情を見せ、「冬期にやってきたことが無駄でなかった」と胸をなでおろしている。

「馬の能力を最大限に発揮させるための調教は科学」というポリシーを持ち、管理馬すべてに遺伝子検査を行う西野代表は、その結果と日々入手する乳酸値データ、そして手綱を通して得られる各馬の個性を総合的に判断して調教メニューを決めている。ローレルオーブの検査結果は、中~長距離に適性があるT-Tタイプ、さらに強い負荷をかけても乳酸値が上がりにくい体質を理解したうえで、長時間のハッキングキャンター、そして屋内坂路でハロン13秒というハードワークを週3回課してきた。それは運動エネルギーを生み出す乳酸値をいかに効率よく上げていくかを求めてきた結果だという。

「この馬は瞬発力タイプではなく、持久力タイプ。全力疾走時の完歩が大きいのでダッシュ力はそれほどではない代わりに、加速力が凄く、そこからの反応が良いんです。以前、屋内坂路で前に馬を置く調教をしているとき、ゴールの止め際でほかの馬が減速したのを前が開いたと思ったのか一気に加速したことがあった。あの時は怖かった」というエピソードも紹介してくれた。

デビュー戦を洋芝小回りの芝1800mに選んだのも、そうした本馬の個性を最大限に発揮できるのが、その舞台だと判断したからだろう。函館競馬場芝1800mメイクデビューといえば、かつてソダシがそこを勝って札幌2歳Sを制し、昨年はのちにホープフルSを勝つレガレイラが勝ち馬に名を刻む2歳夏の中距離メイクデビュー。現段階で、それらG1優勝馬を引き合いに出すのは少々かわいそうかもしれないが、馬の個性をしっかりと理解しているからこその決定だ。

「決して、早熟タイプではないと思います。が、今の競馬番組は馬の成長を待ってくれない。この馬は数を使いながら強くなってくれるタイプだと思いますので。だからこそ早期デビューを目指します」と言い切る。そのXデイまであと3か月。逆算すれば、2か月から2か月半のうちに当場から送り出さねばならない。「ようやく外馬場が使えるようになったので、これからは全力疾走を長い時間持続できるような筋肉をつけていきたい。そのために必要なことは休養なんです。成長と休養は表裏一体。成長するためにどこかで休ませたいのですが。それは心臓の音と相談しながら決めたい。この馬はステイヤーだと思っているので、最終的には、この馬の心臓がアスリートのそれになっているかどうかで判断したい」と、デビューへの調教過程がいよいよ最終段階に入ったことを教えてくれた。

本馬の父はこの世代が初年度産駒となるウインブライト。2歳6月の東京競馬でデビューし、3歳春のスプリングS勝利で重賞ウイナーの仲間入りを果たした。春の2冠は枠順に恵まれずに結果を残せなかったが、同年秋の福島記念で古馬陣の顔色をなからしめ、4~5歳には中山記念を連覇。仕上がりの早さと確かな成長力を示している。また、その実力は香港の競馬場でも如何なく発揮され、5歳時にはクイーンエリザベス2世カップ、香港カップを連勝。外国調教馬として史上初めて同一年制覇の偉業を達成している。現役時代にウインブライトの主戦騎手を務めた松岡正海騎手は、ウインブライトが種牡馬生活を送っているビッグレッドファームの種牡馬展示会に姿を見せ、「現役時代のウインブライトはセンスが良く、フットワークの良い馬だったが、そういった部分をしっかりと継承している産駒が多い。アヴェレージが高い種牡馬になるのではないかと思う」と、実際に産駒に騎乗して、その手綱から感じ取った手応えを話してくれた。

一方、アフリート産駒の母ルージュマジックは、現役ダート最強ともいわれるウシュバテソーロの母ミルフィアタッチ(父キングカメハメハ)と2歳違いの半妹。ナカヤマフェスタとの配合で5500万円以上の賞金を獲得したヒメタチバナを送り出しており、ステイゴールド系と相性の良いファミリーだということがわかる。

会報誌未公開画像

最後に、西野代表は「この馬の第一印象は、ずいぶんとしなやかな動きをする馬だなというものでした。しなやかなんだけれども、緩くない。当時から芯が入りそうなしなやかさがあったんです。今日の走りにはその芯を感じ取ることができました。これならきっと…」と総括。本馬が持つ豊かな資質の確信と、ここまでの育成課程への自信をうかがわせる最高の笑顔を見せてくれた。

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